失業手当を受けていても、健康保険の扶養に入れる場合はあります。ただし、失業手当は健康保険の扶養を判断する際の収入に含まれます。基本手当日額だけでなく、年齢・家族関係・ほかの収入と加入先の条件を確認し、受給開始・終了の前に家族の勤務先へ相談しましょう。
この記事の要点
- 税金の扶養と健康保険の扶養は別。失業手当の収入の扱いも異なる
- 一般の130万円基準では日額3,612円以上が確認の分かれ目。年齢などにより基準は変わる
- 受給前・受給中・終了後で手続きが変わる。扶養に戻るときも申請が必要
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失業手当と扶養、最初に何を確認する?
確認先は、家族が加入している健康保険の保険者です。協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など、加入先を確かめ、まず家族の勤務先の担当者へ状況を伝えます。失業手当の受給に関する窓口はハローワークですが、扶養の認定とは手続きが別です。
- STEP 01家族の加入先を確認
健康保険の保険者名
勤務先の手続き担当
扶養に入る家族との関係 - STEP 02日額と収入を整理
基本手当日額
給与・年金などの収入
受給開始・終了の予定 - STEP 03切り替え日を確認
扶養の認定・非該当の日
提出する書類と期限
保険と年金の手続き先
雇用保険受給資格者証または受給資格通知などで「基本手当日額」を確認します。まだ書類がない場合は、見込みで決めず、日額が確定したときの連絡方法も勤務先へ聞いておきましょう。
基本手当日額3,612円以上だと、扶養に入れない?
一般の年間収入130万円未満の基準について、日本年金機構は、雇用保険等の日額が3,611円以下であれば収入要件を満たし、基本手当3,612円以上の支給が始まった場合は扶養から外れる届出が必要と案内しています。
ほかの条件も合わせて確認
一般の基準で、基本手当の日額についての収入要件を満たす範囲です。ほかの収入や生計維持の条件も必要なので、日額だけで認定が確定するわけではありません。
受給開始時の切り替えを確認
一般の基準では、基本手当の支給が始まると扶養から外れる届出が必要です。3,612円ちょうども含みます。加入先へ非該当日と書類を確認します。
判定に使う年間収入は、前年の給与や暦年の受給総額だけではなく、認定時点からの見込み収入です。「90日分しか受けないから大丈夫」と自己判断せず、日額を伝えて確認します。
年齢や家族関係で、年間収入の基準は変わる
60歳以上、または所定の障害の要件に該当する方には、年間収入180万円未満の基準があります。また、2025年10月1日以降の認定では、19歳以上23歳未満の方は、配偶者を除いて年間収入150万円未満の基準です。年齢は認定日の属する年の12月31日時点で判定します。配偶者にはこの150万円基準を当てはめません。
年齢・障害の要件に加え、同居・別居、生計維持などの条件もあります。一般の3,612円という数値を全員に当てはめず、対象となる基準とほかの収入の扱いを保険者へ確認してください。
確認先:日本年金機構・被扶養者の条件、19歳以上23歳未満の収入要件と年齢判定
税金の扶養では、失業手当の扱いが異なる
国税庁は、雇用保険の求職者給付は非課税であり、配偶者控除の判定に使う合計所得金額へ含める必要はないと案内しています。一方、健康保険では失業給付を収入として扱います。
| 確認する制度 | 失業手当の扱い | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 健康保険の被扶養者 | 収入に含めて判断 | 家族の勤務先・加入先の保険者 |
| 所得税の配偶者控除 | 求職者給付は合計所得金額に含めない | 勤務先の年末調整担当・税務署 |
税の控除には、給与などのほかの所得や、控除を受ける本人の条件もあります。失業手当が非課税だからといって、配偶者控除の対象になるとは限りません。
受給前・受給中・終了後、扶養の手続きはどう変わる?
以下は、扶養の収入基準を上回る基本手当を受ける場合の、確認の流れです。待期や給付制限中に認定されるか、どの日から外れるかは、家族の勤務先・保険者にあらかじめ確認します。
- 受給前扶養の認定条件を確認
待期・給付制限中の扱いと申請書類を確認。
受給開始時の連絡も準備。 - 受給中扶養から外れる手続き
非該当日を確認し、保険を切り替える。
配偶者の場合は年金も確認。 - 受給終了後扶養に戻る申請を確認
終了を証明する書類と今後の収入を整理。
再認定と現在の保険の脱退を手続き。
受給前|まだ振り込まれていなくても、予定を伝える
日本年金機構は、雇用保険の待期中でも収入要件を満たせば認定可能としています。給付制限中の扱いや、受給開始後に必要な届出も、合わせて保険者へ確認します。
受給中|切り替え日は、振込日で判断しない
労働金庫健康保険組合の2025年12月の案内では、受給開始日は給付制限終了日の翌日(給付制限がなければ待期終了日の翌日)とされ、銀行への振込日とは区別されています。これは同組合の案内の例です。自分の加入先が求める日付を受給資格者証等で確認し、「初回入金まで扶養のままでよい」と判断しないようにしましょう。
終了後|扶養は自動では戻らない
同組合の案内では、受給終了後も就労予定がない場合は終了日の翌日から再度認定の対象となり、申請が必要です。加入先へ、終了を証明する書類、今後の収入、認定可能な日を伝えて再申請します。基本手当の終了だけで、ほかの条件を満たすことにはなりません。
確認先:日本年金機構・待期中の認定、労働金庫健康保険組合・失業給付を受ける場合の扶養申請(同組合の例)
扶養を外れるとき、健康保険と年金はどうする?
国保・任意継続など、加入先を早めに確認する
扶養を外れ、自分の勤務先の健康保険にも加入しない場合は、市区町村へ国民健康保険の加入を相談します。国保の加入には、健康保険の資格喪失日・扶養の非該当日を確認できる書類などが必要になるため、勤務先へ発行方法も聞きます。
退職前の健康保険の任意継続も選択肢ですが、協会けんぽの場合、退職日までの被保険者期間が継続して2か月以上あり、退職日の翌日から20日以内の手続きが必要です。「扶養を外れるまで待ってから考える」と期限を過ぎる場合があります。退職時点から比較しておきましょう。
確認先:協会けんぽ・任意継続の加入条件、横浜市・国保の加入と脱退(自治体の案内例)
配偶者の扶養を外れる場合は、国民年金も確認
国民年金第3号は、厚生年金に加入する配偶者に扶養される、原則20歳以上60歳未満の方の制度です。第3号に該当しなくなり、自分の勤務先の厚生年金にも入らない場合は、国民年金第1号への変更を確認します。
親や兄弟姉妹の健康保険の扶養に入ることと、第3号になることは別です。健康保険の扶養認定だけで年金の手続きを省略せず、自分の年齢・加入状況を伝えて確認してください。保険料の支払いが難しい場合は、免除・納付猶予も相談できます。
扶養に戻れたら、国保などの脱退も行う
再認定された場合は、現在の保険の脱退手続きも必要です。例えば横浜市は、国保の加入・脱退の届出を14日以内と案内しています。自分の市区町村へ、新しい資格の証明方法と必要書類を確認します。任意継続に加入中の場合は、加入先へ資格喪失の手続きと時期を確認してください。
2026年4月からの収入認定は、失業手当にも使える?
2026年4月1日以降、労働契約の内容から見込まれる年間賃金が基準額未満で、ほかの収入が見込まれない場合に、契約内容を使って年間収入を判断する取扱いが始まっています。生計維持の条件なども必要です。
この取扱いには、給与収入のみであることの申立てなどが必要です。失業給付は健康保険の収入に含まれるため、基本手当を受ける予定があるのに「パートの契約賃金が基準未満だから扶養を続けられる」と決めないでください。
賃金と基本手当など、見込まれる収入を漏れなく担当者へ伝え、適用する認定方法を確認します。勤務時間や手当が不明確など、契約書から年間収入を判断できない場合にも、この取扱いは使えません。
確認先:日本年金機構・労働契約内容による年間収入の取扱い(2026年5月更新)
必要書類は?勤務先へ何を伝える?
提出する様式と証明書類は保険者によって異なります。以下は、家族の勤務先へ確認するための準備表です。すべての書類が一律に必要という意味ではありません。
| 場面 | 確認する情報 | 書類の例・聞くこと |
|---|---|---|
| 退職後に扶養申請 | 退職日、今後の収入、受給予定 | 離職票・退職の証明、収入の申立て、関係を確認する書類 |
| 基本手当が確定 | 日額、待期・給付制限、開始日 | 受給資格者証・受給資格通知等の提出範囲、非該当日 |
| 受給終了後に再申請 | 受給終了日、就職予定、ほかの収入 | 終了を確認できる書類、再認定の様式と日付 |
| 保険・年金の切り替え | 新旧の資格の日付、現在の加入先 | 資格喪失・取得の証明、国保の加入・脱退、年金の種別変更 |
勤務先へ確認するときの文例
家族の健康保険の扶養について確認したいです。私は○月○日に退職し、雇用保険の基本手当を受給予定です。基本手当日額は○円で、待期・給付制限の予定は○○です。ほかの収入は○○です。
受給前の認定の可否、扶養を外れる日、受給終了後に再申請できる日と、各時点で必要な書類を教えてください。国保へ加入するための資格喪失の証明と、配偶者の場合の年金の手続きも確認したいです。
編集部作成の文例。未確定の項目は「未確定」と伝え、数値を推測で埋めないでください。確認先:日本年金機構・届書と添付書類、労働金庫健康保険組合・時点別の書類例
失業手当と扶養のよくある質問
失業手当が非課税なら、健康保険の収入には入らない?
健康保険の扶養では失業給付を収入に含めます。所得税の配偶者控除の判定とは分けて確認してください。
受給の総額が130万円未満なら、扶養に入れる?
総額だけでは判断できません。基本手当日額と今後の見込み収入、年齢などに応じた基準を加入先へ伝えます。
まだ失業手当が振り込まれていないなら、扶養のままでよい?
振込前でも、扶養から外れる日を迎えている場合があります。待期・給付制限の終了日などを示し、保険者が求める切り替え日を確認してください。
失業手当が終わると、自動で扶養に戻る?
自動では戻りません。終了と今後の収入を証明し、家族の勤務先を通して再認定の申請を確認します。現在の保険の脱退も必要です。
親の健康保険の扶養に入れば、年金も第3号になる?
第3号は厚生年金に加入する配偶者に扶養される方の制度です。親の健康保険の扶養とは別なので、自分の国民年金の加入・納付を確認してください。
確認先・出典
- 日本年金機構・家族を被扶養者にするときの手続き
- 日本年金機構・19歳以上23歳未満の年間収入要件
- 日本年金機構・2026年の労働契約による収入認定
- 国税庁・配偶者控除のQ&A(Q4)
- 協会けんぽ・退職後の健康保険と任意継続
- 労働金庫健康保険組合・失業給付を受ける場合の扶養申請(同組合の例)
- 日本年金機構・国民年金に加入する手続き
- 横浜市・国民健康保険の届出(自治体の案内例)
情報確認:2026年9月17日。この記事は健康保険の扶養と雇用保険の基本手当に関する一般的な案内です。個別の認定・日付・必要書類は加入先の保険者へ確認してください。図解・準備表・文例は編集部作成です。
