給付制限の解除と、教育訓練給付金の違い

2025年4月から、自己都合離職者が一定の教育訓練等を受ける場合、基本手当の給付制限を解除できる仕組みが始まりました。2025年4月1日以降の退職は、給付制限が原則1か月です。ただし、退職日からさかのぼる5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けた場合などは3か月になります。

確認先:厚生労働省:教育訓練による給付制限解除・制限期間

失業給付の時期

給付制限の解除

基本手当を支給する対象期間に関する仕組み。講座代が補助されるという意味ではありません。

学ぶ費用の補助

教育訓練給付金

指定講座と本人の要件を満たす場合に、受講費用の一部を支給する制度。別の確認・申請が必要です。

教育訓練給付金の対象講座は、一般・特定一般・専門実践の3種類です。補助の条件・給付率・申請時期が異なります。この記事は基本手当の給付制限を解除するための確認に絞り、受講費用の支給要件は別に確認する構成です。

確認先:ハローワーク:教育訓練給付金

解除の対象になる教育訓練を確認

対象は、2025年4月1日以降に受講を開始した所定の訓練で、離職日前1年以内に受けた方、または離職日以後に受けている方です。離職前の訓練を途中退校した場合は該当しません。自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)は、この取扱いの対象外です。

表は左右にスクロールして確認できます。

対象として示されている訓練講座選びの確認先
教育訓練給付金の対象となる教育訓練指定講座の検索・講座情報を確認
公共職業訓練等ハローワークの訓練相談窓口
短期訓練受講費の対象となる教育訓練受講前の指導・手続きを含め確認
上記に準ずる、職業安定局長が定める訓練講座名・実施施設・内容を持って照会
名称が似た資格講座でも、指定や対象区分は同じとは限りません。

対象の区分:厚生労働省リーフレット(PDF)

「この資格の勉強なら対象」と決めない

資格名だけでなく、実施施設・講座の正式名称・指定期間・自分の受講開始日を確認します。厚生労働省の指定講座は、教育訓練給付制度の検索案内から調べられます。通学・通信等の形式が異なる同名講座もあるため、受けるコースを特定しましょう。

講座の調べ方:厚生労働省:教育訓練給付金の講座指定・検索案内

短期訓練受講費を利用したい場合は、受講前の支給要件照会やハローワークの受講指導が必要です。「短い講座なら、受けた後に申請すればよい」と考えず、受講前に相談してください。

確認先:ハローワーク:短期訓練受講費・受講前の手続き

支給対象になる時期を図で比較

待期・給付制限・振込日は別です。次の図は、待期満了と受講時期の関係を整理したものです。支給対象になった初日に口座へ振り込まれるという図ではありません。

受講のタイミングで、制限の扱いが変わる

A|対象訓練による解除がない場合

  1. 受給資格決定
    待期7日間
  2. 給付制限
  3. 制限満了後
    基本手当の支給対象

B|離職前1年以内に対象訓練を受けた場合

  1. 訓練を修了
    退職・受給手続き
  2. 待期7日間
  3. 待期満了後
    給付制限を解除

対象訓練・受講開始日・修了状況と、期限内の申出等を確認。

C|待期満了後、給付制限中に受講を始める場合

  1. 待期を満了
    給付制限中
  2. 対象訓練を
    受講開始
  3. 受講開始日以降
    給付制限を受けない

待期中に受講を始めても、待期そのものは残ります。実際の対象日は窓口で確認。

時期の確認:厚生労働省リーフレット:給付制限のイメージ

いつ申し出る?受講時期ごとの期限

受講開始以降、受給資格決定日や初回認定日等までに申し出る必要があります。受講前の相談と、受講開始後の正式な申出を分けて確認し、自分に指定される日をメモしましょう。

すでに受講した・受講中

受給資格決定時に申出

離職前に受けた訓練や、現在受講中の講座を、受給資格決定時に確認してもらう。

開始日・修了日の証明へ ↓
受給手続き後に受講開始

初回認定日までに申出

初回認定日前に開始する場合は、開始日と申出の期限を窓口で確認する。

相談する順番へ ↓
初回認定日後に受講開始

直後の認定日等までに申出

受講開始直後の認定日が目安。給付制限中は「認定日の相当日」も確認する。

認定の注意点へ ↓

2か月以上の給付制限中は、相当日を見落とさない

初回認定日後、2か月以上の給付制限中に受講を開始する場合は、訓練開始直後の「認定日の相当日」が申出期限になることがあります。通常の次回認定日まで待つと、受講開始日以降の一部期間について基本手当を受けられない場合があります。

窓口へ確認する3つの日:
  • 自分の訓練開始日は、いつとして扱われるか
  • 申出期限は、何月何日か(相当日があるか)
  • 申出後の認定日は、何月何日か

期限を過ぎたかもしれない場合も、自己判断で諦めず速やかに窓口へ連絡してください。

申出・相当日の取扱い:厚生労働省リーフレット裏面(PDF)

申出に使う、開始日・修了日の証明

受給資格決定時の受講状況によって、確認する日が変わります。受講予定表だけで足りると決めず、訓練施設へ発行方法を確認しましょう。

表は左右にスクロールして確認できます。

受講状況申出に使う書類
受給資格決定時に受講中/決定後に受講開始訓練開始日が記載された領収書、または訓練施設による開始日の証明書
受給資格決定日前に修了済み訓練修了日が記載された修了証明書、または訓練施設による修了日の証明書
教育訓練給付金の申請で提出済みなら、その旨を伝えます。提出省略の可否は窓口で確認。

書類:厚生労働省リーフレット裏面/開始日の証明様式:厚生労働省の制度案内

受講開始日は、支払日や申込日と同じとは限らない

一般教育訓練給付金では、通学制は所定の開講日、通信制は教材等の発送日を、指定教育訓練実施者が証明する日として案内しています。受講形式に応じた開始日を施設へ確認し、給付制限解除の申出にも使える証明をハローワークへ確認しましょう。

確認先:厚生労働省:一般教育訓練給付金Q&A・受講開始日

講座選びから申出までの3ステップ

申込みの前に相談し、開始日等の証明を出す
  1. STEP 01

    講座を特定する

    正式名称、施設、コース、開始・修了予定日、費用を控える。

  2. STEP 02

    窓口で条件を確認

    解除の対象か、期限・書類・認定日を確認。費用補助は別に照会。

  3. STEP 03

    開始日等を証明する

    開始日等の証明を用意。指定された期限・認定手続きを守る。

窓口で使える相談メモ

  • 退職日:○年○月○日/受給手続き:これから・済み
  • 講座:施設名○○/正式な講座名○○/通学・通信等○○
  • 日付:開始日○○/修了日・予定日○○
  • 聞きたいこと:給付制限解除の対象、申出期限、証明書、変更後の認定日
  • 費用補助:教育訓練給付金等も希望する場合は、別に受給要件と事前手続きを確認

「この講座を受ける予定です。私の給付制限を解除できる訓練ですか。受講前に必要な手続きと、開始後の申出期限・証明書・認定日を教えてください」と伝えると、相談したい点をまとめられます。

教育訓練給付金は、受講前に本人の支給要件や講座指定を照会できます。専門実践・特定一般は訓練前キャリアコンサルティング等の事前手続きがあるため、講座の開始直前まで待たずに確認してください。

費用補助の事前確認:ハローワーク:教育訓練給付金・支給要件照会

受講中の認定・求職活動・仕事の申告

給付制限が解除されても、基本手当の受給資格や失業認定を確認する手続きは必要です。基本手当は、就職する意思と能力があり、求職している失業状態等の要件に基づく給付です。講座に通うことだけで、全員が基本手当を受けられるわけではありません。

基本手当の要件:ハローワーク:基本手当について

給付制限中の相当日で認定を受ける場合も、認定日数に応じた求職活動実績が必要です。公共職業訓練の受講指示等の有無も含め、自分の認定方法・必要な活動・受講状況の提出方法を確認しましょう。訓練と認定の予定が重なる場合も、欠席する前に連絡します。

相当日の認定:厚生労働省リーフレット裏面

受講費と生活費は、別々に予算を組む

「制限を解除できるなら、すぐ収入が入る」と見込んで講座代を払うと、認定・振込までの生活費が不足することがあります。まず、支払日と入金予定を別々に並べるのがおすすめです。

  • 学ぶための支出:入学料・受講料、教材、試験、交通費等の見積もりと支払日
  • 生活費:家賃・食費・税金・健康保険・年金の納期限
  • 入金:最終給与、基本手当の認定後の振込、費用補助の申請・支給時期
  • 継続できるか:通学時間・学習時間・就職活動・家計の負担を確認

費用補助の対象経費と、実際に必要な総費用は同じとは限りません。補助を受ける前に必要な支払いもあるため、講座の支払条件とハローワークの支給手続きをそれぞれ確認してください。

費用補助の申請:厚生労働省:教育訓練給付金の支給申請手続き

よくある質問

民間のオンライン講座も対象ですか?

オンラインかどうかだけで判断できません。受ける講座の指定・対象区分・開始日等を特定し、ハローワークへ確認してください。

講座を申し込んだら、7日間の待期もなくなりますか?

なくなりません。申込みと受講開始は別で、待期と給付制限も別です。

給付制限を解除できれば、講座代も返ってきますか?

解除だけで講座代が支給されるわけではありません。教育訓練給付金や短期訓練受講費は、それぞれの要件・申請を別に確認します。

退職前に受けた講座でも申し出られますか?

離職日前1年以内の対象訓練で、2025年4月1日以降に開始したもの等の条件を確認します。開始日・修了日の証明を用意し、受給手続き時に伝えましょう。

訓練を受けると、基本手当の給付日数も必ず増えますか?

必ず増えるわけではありません。公共職業訓練等についてハローワークの受講指示を受ける場合の延長給付等は、別の要件があります。制限の解除と日数の延長を混同せず確認してください。

受講指示と訓練期間中の給付:ハローワーク:公共職業訓練等を受講する場合

確認先・出典

受講を決める前は職業相談・訓練の窓口、給付制限の申出は雇用保険の窓口へ確認します。手続きの場所や提出方法は、住所を管轄するハローワークにお問い合わせください。

目次へ戻る ↑