退職後に生活費が足りなくなりそうなときは、地域の自立相談支援機関で、家計・住まい・仕事をまとめて相談できます。家賃は住居確保給付金、生活資金の貸付は社会福祉協議会、生活保護の相談・申請は福祉事務所が主な窓口です。食費や今日の居場所に困る場合は、家計表の完成を待たず、その状況を先に伝えましょう。
この記事の要点
- 困りごとで窓口を選ぶ。迷ったら地域の自立相談支援機関へ
- 給付と貸付を区別し、条件・返済・入金時期を確認する
- 資料が不足していても相談。生活保護は書類がそろわなくても申請できる
制度の確認日:2026年9月17日。公的制度の一般的な案内です。利用条件や窓口の名称は自治体・世帯状況により異なります。図解・表・文例は編集部作成。写真はAI生成のイメージです。
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いま困っている内容から、相談先を選ぶ
「どの制度に当てはまるか」を一人で決めてから連絡する必要はありません。支援員と状況を整理し、必要な制度や関係機関につないでもらうことができます。電話では、困っていることと、いつまでに対応が必要かを先に伝えると相談を始めやすくなります。
家計・仕事・家賃
収入減、支払予定、住まいをまとめて整理したい
自立相談支援機関生活資金の貸付
一時的な不足について、返済を含めて相談したい
市区町村の社会福祉協議会食費・居場所・生活保護
最低限の生活を続けることが難しい
福祉事務所今日食べるものがない/泊まる場所がない場合は、その事情を電話や窓口で最初に伝えてください。制度の一覧をすべて読み終えるまで待つ必要はありません。
地域の自立相談支援機関を探す →
厚生労働省が案内する窓口一覧です。掲載のない地域は都道府県・市区町村に問い合わせてください。生活保護は、現在いる場所の近くの福祉事務所へ相談できます。
手元のお金・入金日・支払日を分けて整理
編集部では、まず「いくら必要か」だけでなく「いつ足りなくなるか」を整理することをおすすめします。給付の申請予定額を、すでに使えるお金に混ぜないのがポイントです。支給可否や入金日が未確定なら、別欄に置きましょう。
表は左右にスクロールして確認できます。
| 整理する項目 | 書き出す内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 手元のお金 | 預貯金・現金など | すぐ使える額と、世帯全体の資産を分けて把握 |
| 確定した入金 | 最終給与・家族の収入など | 金額と入金日 |
| 未確定の入金 | 申請中の給付・就職後の給与など | 決定・支払日の確認待ちとして管理 |
| 生活の支払い | 家賃・食費・光熱費・通院費など | 金額・期限・不足する日 |
| 税・保険料・返済 | 届いた納付書や請求書など | 相談先と、すでに相談した内容 |
例として、手元資金3万円、確定入金1万円、次の入金までの必要支出6万円なら、差額は2万円です。ただし、入金前に家賃の期限が来ると、合計額だけでは支払日に間に合うか分かりません。日付も一緒に並べましょう。この数字は架空の家計整理例で、給付額や審査基準を示すものではありません。
家賃や転居費用は、住居確保給付金を確認
住居確保給付金には、再就職に向けた活動などを条件とする家賃の補助と、家計改善のための転居費用の補助があります。同じ名称でも目的・条件が異なるため、今の家賃を維持する相談か、転居による家計改善の相談かを伝えましょう。
家賃の補助
離職・廃業後2年以内などの対象条件、世帯の収入・資産、求職活動等を確認
上限の範囲で家賃額を補助転居費用の補助
収入の大きな減少と、転居で家計が改善すると認められることなどを確認
対象経費と上限を確認先に窓口へ
契約・支払いの前に、必要な確認や資料を相談
自立相談支援機関へ家賃の補助は原則3か月、条件を満たした延長を含め最長9か月です。原則として自治体から貸主等へ直接振り込まれます。自由に使える生活費が本人の口座へ一律に入る制度ではありません。
転居費用の補助は2025年4月に拡充されました。上限があり、敷金・前家賃など対象外の経費もあります。転居先の家賃が多少上がっても、交通費等を含め家計全体が改善する場合は対象となる可能性があります。「引っ越し代ならすべて出る」と考えず、具体的な見積もりを持って相談しましょう。
生活福祉資金は「給付」ではなく「貸付」
生活福祉資金貸付制度には、総合支援資金や緊急小口資金などがあります。主な相談先は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会です。低所得者世帯などの対象条件や資金用途に加え、返済できる見込みも考慮されるため、退職しただけで自動的に借りられるものではありません。
表は左右にスクロールして確認できます。
| 区別すること | 確認するポイント |
|---|---|
| 給付と貸付 | 貸付は返済条件の確認が必要。補助金と混同しない |
| 資金の種類 | 生活再建の継続的な不足か、緊急・一時的な不足か |
| 世帯・用途・返済 | 対象条件、使い道、返済計画、必要な相談支援 |
| 受け取り時期 | 相談や審査を含めて確認。即日入金を前提にしない |
| 通常制度と過去の特例 | 新型コロナの特例貸付は新規受付を終了。過去の案内と区別 |
金利や保証人の扱いは資金の種類などによって異なります。返済が難しい家計なら、その事情を隠さず相談し、ほかの制度も含めて検討しましょう。
食費や住まいに困る場合は、福祉事務所へ
生活保護は、資産や能力などを活用しても最低限度の生活を維持することが難しい場合に、世帯の状況に応じて必要な保護を行う制度です。相談・申請先は福祉事務所です。別の給付や貸付を調べてからでなければ相談できない、と考える必要はありません。
申請について、先に知っておきたいこと
- 必要な書類がそろっていなくても申請できる
- 住むところがない場合も申請できる
- 別居している親族に相談してからでないと申請できない、ということはない
申請できることと、支給が決定することは別です。親族の扶養や資産の扱いなどは個別に確認されます。「持ち家があるから相談できない」などと自己判断せず、現在の生活状況を伝えてください。
保険料・税金の支払いも、担当窓口へ相談
生活費と同時に、国民年金・健康保険・住民税などの請求が届くことがあります。通知を開いて金額と期限を確認し、払えない見込みがある場合は、通知に書かれた担当窓口へ連絡しましょう。相談しただけで納付期限や金額が変わるわけではないため、手続きの要否と決定内容を確認します。
国民年金には、所得などの条件に応じた免除・納付猶予と、失業等による特例があります。失業した方の前年所得を問わない特例でも、配偶者や世帯主などの所得確認が関係する場合があります。退職後は自動的に免除される、という意味ではありません。承認された期間の将来の年金額への影響も確認しましょう。
確認先:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
相談前の資料と、伝える文例
最初の相談では、分かる範囲の情報から始めましょう。本人確認書類、世帯の収入が分かるもの、預貯金の状況、賃貸借契約書、請求書、退職日が分かる資料などがあると説明しやすくなります。申請に必要な書類は制度ごとに異なるため、窓口に確認してください。
- STEP 01
不足と期限を伝える
「何が」「いつまでに」足りないか。緊急の事情を先に伝える。
- STEP 02
窓口で整理する
世帯・収入・資産・支払いを確認し、必要な制度へつなぐ。
- STEP 03
案内と次の予定を記録
必要書類、担当者、次回連絡日、申請や支払相談の手続きをメモ。
電話での相談文例
この文例は最初の相談用です。生活保護を申請したい場合は、「生活保護を申請したい」という意思も明確に伝えましょう。今日の食事・居場所に困る場合は、その事実を文例の冒頭に加えてください。
窓口で残す確認メモ
- 相談日・窓口・担当者・連絡先
- 案内された制度と、条件の確認が必要な項目
- 必要書類・提出先・期限
- 家賃・請求書の支払相談の進め方
- 次回の連絡日と、まだ決まっていないこと
よくある質問
失業手当の入金を待ってから相談した方がよいですか?
入金前に生活費が不足する見込みがあるなら、先に相談しましょう。申請状況と、確定している入金日・未確定の入金を分けて伝えてください。複数の制度の利用可否や収入の扱いは担当窓口で確認します。
自己都合で退職した場合は、どこにも相談できませんか?
退職理由だけで相談を諦める必要はありません。地域の自立相談支援機関で状況を整理できます。相談ができることと、各制度の利用条件を満たすことは別です。
家賃の補助は、本人が自由に使えるお金ですか?
住居確保給付金の家賃補助は、原則として自治体から貸主等に支払われます。収入・資産・求職活動等の条件と上限があり、生活費全般を自由に使える一律の現金給付ではありません。
貸付を申し込めば、すぐに受け取れますか?
相談・審査などを含めた確認が必要です。必要な日付を伝え、支払いに間に合うか、ほかの支援も必要かを相談しましょう。利用条件や返済の確認も欠かせません。
書類を全部そろえないと相談できませんか?
最初の相談は分かる範囲で状況を伝えてください。申請書類は制度ごとに確認が必要ですが、厚生労働省は、生活保護について必要書類がそろわなくても申請できると案内しています。
確認先・出典
個別の条件・金額・併用・提出資料は担当窓口で確認してください。窓口の連絡先や案内は更新されるため、利用時に最新情報を確認しましょう。
