会社都合退職と自己都合退職で何が変わる?

一般に「会社都合退職」は倒産・解雇・退職勧奨など会社側の事情による離職、「自己都合退職」は転職や家庭事情など本人の意思による離職を指します。ただし、雇用保険では、この呼び方だけで受給条件を判断しません。

確認項目倒産・解雇等による離職正当な理由のない自己都合離職
受給資格の被保険者期間原則、離職前1年間に通算6か月以上原則、離職前2年間に通算12か月以上
7日間の待期ありあり
給付制限通常は自己都合を理由とする給付制限なし2025年4月1日以降の離職は原則1か月。一定の繰り返し離職や重責解雇は3か月
所定給付日数年齢・加入期間等により手厚くなる場合あり一般離職者は加入期間により原則90~150日
国民健康保険料の軽減特定受給資格者等に該当すれば対象となる場合あり一般離職者は原則として対象外
代表的な違いです。正当な理由のある自己都合や個別事情により扱いは変わります。
待期と給付制限は別です。
7日間の待期は離職理由にかかわらずあります。その後、正当な理由のない自己都合離職には原則1か月の給付制限があります。職業訓練等により給付制限が解除される場合もあります。

基本手当日額そのものは主に離職前の賃金と年齢から決まります。離職理由によって主に変わるのは、受給資格、受給開始までの扱い、所定給付日数です。金額と日数の計算は、失業手当はいくらもらえる? →で確認できます。

確認先:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ」

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「会社都合」「自己都合」だけでは判断できない

雇用保険では、日常的な呼び方より細かく離職理由を確認します。受給手続きで押さえたい代表的な区分は次の3つです。

倒産・解雇等

特定受給資格者

倒産、解雇、一定の退職勧奨、著しい労働条件の相違、賃金低下、長時間労働、著しい嫌がらせ等が該当し得ます。

正当な理由のある離職等

特定理由離職者

更新を希望した有期契約の雇止め、病気・けが、育児・介護、通勤困難などの事情による離職が該当し得ます。

それ以外

一般離職者

転職など正当な理由のない自己都合離職を含みます。受給資格や給付制限はこの区分を前提に確認します。

たとえば、本人が退職届を出していても、退職勧奨を受けた経緯や労働条件、健康上の事情などを確認する必要があります。一方で「会社から辞めるよう言われた」と感じても、すべてが自動的に特定受給資格者になるわけではありません。

区分を自分だけで確定しないことが大切です。
該当条件には期間・程度・経緯などの要件があります。公式の範囲を確認し、個別事情はハローワークへ説明してください。

確認先:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」

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退職前に離職証明書の記載を確認する

会社は、雇用保険の離職手続きで離職証明書をハローワークへ提出します。退職前に内容を確認する機会がある場合は、離職理由、具体的事情、賃金の記載を見ます。事実と違うと感じたら、その場で異議がある旨を明確にし、確認した日と相手、説明内容を記録しておきましょう。

  • 退職日、解雇・退職勧奨・契約満了などの経緯
  • 本人から退職を申し出た日と、その前にあった会社とのやり取り
  • 契約更新を希望したか、会社から更新しない通知があったか
  • 賃金低下、長時間労働、配置転換、健康上の事情などの時期
  • 離職証明書の具体的事情記載欄と、本人の認識が一致しているか

退職時には雇用保険以外の書類もあります。漏れなく揃える場合は、退職時に会社から受け取る書類一覧 →も確認してください。

離職票が届かない場合は、記載内容を確認できないまま待ち続けず、離職票が届かないときの確認先 →をご覧ください。

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離職票の記載が事実と違うときの5ステップ

受け取った離職票-2の離職理由が実際の退職経緯と違う場合は、会社とのやり取りだけで止めず、受給手続きを行うハローワークへ伝えます。

離職理由に異議があるときの流れ
  1. STEP 01離職票を確認

    離職票-2の理由と具体的事情を見る。

  2. STEP 02時系列を整理

    退職までの出来事を日付順にまとめる。

  3. STEP 03資料を準備

    書面、メール、勤怠などを揃える。

  4. STEP 04窓口で申し出る

    受給手続き時に異議があると伝える。

  5. STEP 05判定を確認

    双方の主張と資料を基に判断される。

1. 離職票-2の離職理由を確認する

「離職理由」欄と「具体的事情記載欄」を読み、本人の理解と一致するか確認します。異議の有無を記入する欄がある場合は、内容をよく見て回答します。

2. 退職までの経緯を時系列で書く

誰が、いつ、どのような説明をし、本人がどう答えたかを時系列でまとめます。「会社都合だと思う」という結論だけでなく、判定に必要な事実を短く整理します。

3. 経緯を確認できる資料を準備する

提出する資料は、主張の内容により変わります。原本を持参する場合は、手元に写しを残せるよう準備し、窓口の案内に従ってください。

4. 受給手続きで異議があることを伝える

住居所を管轄するハローワークで受給資格決定の手続きをするときに、離職理由が事実と違う旨を申し出ます。ハローワークは、本人の主張、証拠書類、事業主の主張を確認して離職理由を判定します。

5. ハローワークの判定を確認する

事実確認には時間がかかる場合があります。追加資料の依頼、次回認定日、給付の扱いなど、その後の予定を窓口で確認してください。

確認先:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」

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退職の経緯を確認できる資料の例

資料は「会社都合」という言葉を探すためではなく、実際に何が起きたかを確認するために使います。次は一例であり、すべてが必須という意味ではありません。

  • 解雇・退職勧奨解雇通知書、退職勧奨のメールや書面、面談日時と説明内容の記録
  • 労働条件の相違・賃金低下労働契約書、就業規則、給与明細、変更前後の条件を示す通知
  • 長時間労働タイムカード、勤怠記録、給与明細、業務メールや業務記録
  • 嫌がらせ・ハラスメント等会社への相談記録、メール・チャット、配置転換の辞令など
  • 契約満了・雇止め雇用契約書、更新条件、更新希望を伝えた記録、更新しない旨の通知
  • 病気・けが、育児・介護等診断書や通院記録、家庭事情と就業継続の困難さを確認できる資料
事実と異なる説明や資料の加工はしないでください。
資料が十分でない場合も、まず経緯を正確に説明し、ほかに何を確認できるか窓口へ相談します。

特定受給資格者・特定理由離職者と判定された場合、国民健康保険料が軽減されることがあります。対象区分や届出は、退職後の国民健康保険料を軽減できるケース →で確認できます。

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ハローワークの判定後も不服がある場合

離職理由に関するハローワークの処分に不服がある場合は、都道府県労働局の雇用保険審査官へ審査請求できる場合があります。厚生労働省の案内では、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です。

審査請求は文書または口頭で、雇用保険審査官のほか、処分を行ったハローワークを経由して行うこともできます。処分の種類によって起算点の説明が異なる場合があるため、受け取った通知と公式Q&Aを確認し、期限前に問い合わせましょう。

「会社へ訂正を頼むこと」と「ハローワークへ異議を伝えること」は同じではありません。
会社との確認がまとまらなくても、受給手続きでは実際の経緯と資料をハローワークへ示します。判定後の不服は、案内された審査請求の手続きで確認します。

確認先:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ」Q46

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会社都合・自己都合と離職理由のよくある質問

退職届を出したら、必ず自己都合退職になりますか?

退職届の有無だけで一律に決まりません。退職勧奨の経緯、労働条件、病気や介護などの事情、提出に至った状況を含め、ハローワークが確認します。

退職勧奨に応じた場合は会社都合ですか?

事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受けたことによる離職は、特定受給資格者に該当し得ます。ただし、希望退職募集への応募などは条件により扱いが異なるため、経緯を示して確認します。

パワハラで退職した場合は会社都合になりますか?

上司や同僚から故意に排斥された、著しい冷遇・嫌がらせを受けたなど、一定の事情は特定受給資格者の範囲に含まれ得ます。行為の内容や継続期間、相談記録などを整理して相談します。

契約満了は会社都合ですか?

契約期間、更新の明示、更新実績、本人が更新を希望したかなどで扱いが変わります。「契約満了」という言葉だけで判断せず、契約書と更新に関するやり取りを確認します。

離職票へ署名した後でも相談できますか?

離職票の記載が実際の経緯と違う場合は、受給手続きの際に異議がある旨を伝えてください。署名済みであることも含め、経緯と資料を正確に説明します。

異議を伝えると、失業手当の手続きは止まりますか?

離職理由の事実確認に時間がかかる場合があります。受給手続き自体を遅らせず、認定日や支給の扱い、追加資料の期限を担当窓口で確認してください。

会社都合なら基本手当日額も高くなりますか?

基本手当日額は主に離職前の賃金と年齢から計算します。離職理由は、受給資格、給付制限、所定給付日数に影響する場合があります。

国民健康保険料の軽減は自動ですか?

通常は届出が必要です。対象となる離職理由コード、必要書類、期限を市区町村の国民健康保険窓口で確認してください。

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公式の確認先・出典

確認日:2026年9月23日。制度・様式は変更されることがあります。実際の手続きでは、住居所を管轄するハローワークの案内を優先してください。

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