退職日までの所定労働日であれば、退職前に残っている年次有給休暇を取得できます。会社は通常、事業の正常な運営を妨げる場合に取得時期を変更できますが、退職日を越えて変更することはできません。ただし、退職日で年休の権利は消えるため、残日数・勤務日・引き継ぎ期間を早めに確認することが大切です。
この記事の要点
- 退職前でも有給休暇を申請できます。退職日を越えて取得時期を変更することはできません
- 残日数だけでなく所定労働日を数えます。公休日や退職後の日は有給休暇にできません
- 申請と引き継ぎ予定を記録に残します。解決しない場合は公的相談窓口を利用できます
情報確認:2026年9月25日。一般的な年次有給休暇を対象にしています。会社独自の特別休暇や個別の紛争は就業規則・雇用契約と公的窓口で確認してください。図・表は編集部作成、写真はAI生成のイメージです。
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退職前でも、年次有給休暇は申請できる
年次有給休暇は、原則として労働者が指定した時季に取得します。退職予定であることだけを理由に、年休の権利がなくなるわけではありません。退職日までは在籍しているため、残っている日数の範囲で申請できます。
会社が取得時期を変更するとしても、変更先を退職日より後にすることはできません。
長期間を連続して取得する場合は、残日数が分かった時点で早めに相談します。退職日そのものを変更する提案を受けても、応じるかどうかは別に判断します。
確認先:厚生労働省「年次有給休暇」
残日数と「有給にできる勤務日」を分けて確認
給与明細・勤怠システム・人事担当者への確認で年休残日数を把握します。年休を充てられるのは、原則として本来働く予定だった所定労働日です。公休日や退職後の日に年休を置いて日数を増やすことはできません。
| 確認項目 | 確認する内容 | 記録する資料 |
|---|---|---|
| 残日数 | 付与日、前年からの繰越、取得済み日数 | 給与明細・勤怠画面 |
| 所定労働日 | 退職日までに勤務予定だった日 | 勤務表・会社カレンダー |
| 退職日 | 最終出社日と退職日を混同しない | 退職届・会社の回答 |
| 申請方法 | 申請期限、システム、書面等の社内手続き | 就業規則・申請履歴 |
法定の年休は、原則として発生日から2年間行使できます。会社が法定を上回って設けた休暇は、対象や期限が別に定められていることがあります。
退職日・最終出社日・有給消化を同じ表で整理
退職日を確認
雇用関係が終了する日。社会保険の資格喪失日は通常その翌日です。
引き継ぎ期間を置く
後任、資料、取引先対応、貸与品返却を勤務日に配置します。
有給取得日を申請
残日数と所定労働日を照合し、最終出社日を決めます。
「最終出社日」は最後に実際に出勤する日で、「退職日」とは別です。有給消化中も退職日までは在籍します。転職先の入社日、健康保険、会社から受け取る書類にも関係します。
会社に拒否されたら、理由と代替案を記録する
会社は、指定した日に年休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、別の時季へ変更することがあります。ただし、個別・具体的・客観的に判断されるもので、「退職予定者は使えない」「忙しいから一律不可」と決まるものではありません。
退職日までほかに取得できる勤務日がなければ、退職日を越える時季へ変更できません。拒否された場合は、申請日、希望日、残日数、会社の回答と理由、代替案を記録します。
申請記録を残し、人事担当者と調整したうえで、解決しない場合は公的窓口へ相談します。
有給申請と引き継ぎを4段階で進める
- STEP 01日数を確認
残日数と所定労働日を照合
- STEP 02予定表を作る
引き継ぎ・返却・有給日を配置
- STEP 03書面で申請
社内手続きに沿って履歴を保存
- STEP 04回答を確認
変更理由や代替案も記録
引き継ぎは、担当業務、進行中の案件、保存場所、関係者、期限、未解決事項を一覧にすると共有しやすくなります。
有給休暇の買い取りは、会社の義務ではない
法定の年休をあらかじめ買い取り、休ませない運用は原則として認められません。退職時に残った日数の金銭対応についても、会社に一律の買い取り義務があるわけではありません。就業規則や会社の制度を確認し、買い取りを前提に退職日を決めないようにします。
解決しないときは、公的窓口へ相談
会社と話し合っても解決しない場合は、都道府県労働局・労働基準監督署・総合労働相談コーナーなどへ相談できます。平日夜間や土日祝日に利用できる「労働条件相談ほっとライン」もあります。
- 雇用契約書・就業規則
- 年休残日数が分かる給与明細や勤怠画面
- 退職日と最終出社日が分かる書面
- 有給申請の日時・希望日・会社の回答
- 引き継ぎ予定と実施した内容
退職前の有給消化についてよくある質問
土日や公休日も有給休暇にできますか?
原則として、本来働く義務のない日は年休を使う対象ではありません。所定労働日を勤務表や会社カレンダーで確認します。
有給消化中に次の会社で働けますか?
退職日までは元の会社に在籍しています。副業・兼業の規定、秘密保持、社会保険、次の会社の入社日を両社へ確認してください。
会社から退職日を延ばしてほしいと言われたら?
話し合うことはできますが、延長へ応じるかは雇用契約や事情を確認して判断します。変更する場合は、新しい退職日を書面で確認します。
使わず退職したら、自動で買い取られますか?
自動的に買い取られるとは限りません。会社に一律の買い取り義務はないため、就業規則と会社の回答を確認します。
公式の確認先・出典
- 厚生労働省:年次有給休暇
- 厚生労働省:年次有給休暇をとる条件は?
- 大阪労働局:年次有給休暇について
- 和歌山労働局:年次有給休暇の主な相談
- 厚生労働省:総合労働相談コーナー
- 厚生労働省:労働条件相談ほっとライン
本記事は一般的な情報です。年休残日数、所定労働日、退職日、就業規則、雇用契約によって対応は変わります。
