伝える前に準備する3つのこと

まず整理するのは、「退職する意思が固まっているか」「いつまで働きたいか」「何を引き継ぐ必要があるか」です。まだ迷っている段階の相談と、決めた退職の意思表示は、言葉を分けて伝えます。

準備から面談後まで|話を進める3ステップ
  1. STEP 01準備する

    契約・手続き・希望日を確認。担当業務を一覧にする。

  2. STEP 02個別に伝える

    退職の意思 → 希望日 → 引き継ぎ案の順に話す。

  3. STEP 03確認して残す

    決まったことと未確定事項を分け、書面・引き継ぎへ。

1.雇用契約と就業規則を確認する

雇用契約書・労働条件通知書で契約期間の有無を確認します。就業規則では、申し出先、退職届などの提出方法、社内の申請手順を確認してください。書類が見当たらなければ、人事・労務担当へ確認します。

2.退職日と最終出勤日を分けて考える

退職日は雇用契約が終了する日、最終出勤日は実際に出勤する最後の日です。有給休暇の取得を希望する場合は、その日程も別に整理します。希望と確定した日付を混ぜないことが大切です。

退職前の有給消化|残日数・申請・引き継ぎの進め方 →

整理する項目面談前のメモ確認すること
希望する退職日[○月○日]契約・社内手続きと日程
最終出勤日の案[○月○日]引き継ぎと休暇の予定
有給休暇の希望[残日数・希望日]残日数と申請手順
日付を話し合うための編集部作成の準備表。

3.担当業務と引き継ぎの案をまとめる

進行中の案件、次の締め切り、関係者、社内資料の保管場所を整理します。後任が決まっていなくても、現在の状況を説明できる一覧があると、面談で具体的な話ができます。会社の情報は、会社が認める保管・共有方法で扱ってください。

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いつ伝える?契約と日程の考え方

「何か月前に伝えればよいか」は、法律上の扱いと、会社と調整する日程を分けて考えます。引き継ぎに必要な時間や休暇の希望を踏まえ、余裕を持って話せる時期を検討しましょう。

期間の定めなし

原則は申し入れから2週間

無期の雇用契約では、労働者からの一方的な解約の申し入れは、原則として2週間の経過で効力が生じます。社内手続きを確認し、希望日と引き継ぎを調整します。

期間の定めあり

途中の退職は別に確認

有期契約の途中で一方的に退職する場合は、やむを得ない事由など、無期契約とは異なる扱いがあります。合意による退職や例外もあるため、契約と状況を確認します。

確認先:厚生労働省・退職について、厚生労働省・退職と民法上の申し入れ期間

「会社の承認がないと、いつまでも辞められない」とは限りません
会社と合意して退職する手続きと、一方的な解約の申し入れは異なります。就業規則の長い申し出期間を、法律上の退職の扱いと同一視しないでください。判断に迷う場合や会社と食い違う場合は、公的な労働相談窓口へ確認しましょう。

有期契約には契約期間や勤続状況による例外があります。ここでの2週間という説明を、すべての契約に当てはめないでください。

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面談を依頼するメールの文例

仕事中に突然切り出すよりも、周囲に聞かれない時間を依頼すると落ち着いて話せます。依頼メールは短くまとめ、空いている時間を相談します。次の例は、面談の予約を取るための文面です。

メール例 01|個別に話す時間を取る

件名:面談のお時間について

[上司の氏名]さん

お疲れさまです。[自分の氏名]です。
今後の勤務について、個別にお話ししたいことがあります。
[今週/○月○日まで]に、15〜20分ほどお時間をいただけますでしょうか。
ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

時間や期限は例です。緊急性と職場の状況に合わせて調整してください。リモート勤務なら、個別のオンライン面談や電話など、周囲に内容が聞こえない方法を相談します。

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面談で話す順番と会話例

退職を決めている場合は、感謝の言葉を添えつつ、最初に意思を明確にします。理由の説明が長くなる前に、希望日と引き継ぎの案を示しましょう。

面談で伝える順番|意思・日付・引き継ぎ
  1. 01|意思退職を決めたこと

    相談の目的を明確にする。迷っている相談とは分ける。

  2. 02|日付希望する退職日

    退職日・最終出勤日・休暇希望をそれぞれ伝える。

  3. 03|業務引き継ぎの案

    担当業務と期限を共有し、提出書類や手順を確認する。

会話例|退職を決めている場合

意思を伝え、日程と手続きを確認する

「お時間をいただき、ありがとうございます。
今後の働き方を考えた結果、退職することを決めました。希望する退職日は[○月○日]です。
担当している[業務・案件]については、状況をまとめ、[○月○日]までに引き継ぎ資料を用意する案を考えています。
退職日と最終出勤日、必要な書類や社内手続きについて確認させてください。」

退職理由は、説明できる範囲で簡潔に

例えば「今後のキャリアを考えたため」「家庭の事情で働き方を見直すため」など、自分の事情に合う言葉で説明します。事実に反する理由を作る必要はありません。職場の問題について相談・申告する必要がある場合は、退職の日程の話と分けて整理すると、論点が伝わりやすくなります。

まだ決めていないなら、「退職を決めました」とは言わない
迷っている場合は「今後の働き方について相談したいです」と伝えます。一度した退職の意思表示を、必ず後から取り消せるとは限りません。決定と相談の言葉を使い分けてください。

確認先:厚生労働省・退職の意思表示と撤回

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引き止められた・話を聞いてもらえないとき

引き止めには、意思と日程の話を分けて返す

条件の変更などを提案されて迷った場合は、回答する期限を相談して整理します。退職する意思が変わらない場合は、お礼を伝えたうえで、その意思を繰り返し示します。

会話例|退職の意思が変わらない場合

感謝を伝え、確認する事項へ戻す

「ご提案いただき、ありがとうございます。
考えたうえでの結論なので、退職する意思は変わりません。希望する退職日は[○月○日]です。
引き継ぎの方法と、必要な手続きについて確認させてください。」

「後任が決まるまで」といった終了時期の決まらない約束は、その場で安易にしないようにします。できる引き継ぎの内容と期限を具体的に示してください。

面談できない・受け付けてもらえない場合

申し出た日時、相手、伝えた内容、返答を記録します。上司との調整が進まなければ、人事・労務担当など社内の別の窓口を確認しましょう。退職の扱いで争いがある、強い言動で話し合えないといった場合は、総合労働相談コーナーなどの公的窓口に、契約と経緯を示して相談します。

問題がある場合も、出勤をやめることや、会社の連絡を一切断つことを自己判断で先行させず、具体的な対応を相談してください。

相談先:厚生労働省・総合労働相談コーナー

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面談後の確認メールと引き継ぎ

面談後は、合意したことと、まだ確認中のことを分けて記録します。確認メールだけで社内の退職手続きがすべて終わるとは限らないため、書類の提出先や期限も確認してください。

メール例 02|面談の内容を確認する

件名:本日の面談内容の確認

[上司の氏名]さん

本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
面談内容を、以下のとおり整理しました。

・希望する退職日:[○月○日]/[確認中・合意済みのどちらか]
・最終出勤日:[○月○日]/[確認中・合意済みのどちらか]
・休暇の希望と申請:[内容・次に確認する担当者]
・引き継ぎ:[対象業務・資料の準備期限]
・退職に関する書類:[提出先・期限/確認中の項目]

認識が異なる点がありましたら、お知らせください。
未確定の項目については、[担当者]へ確認します。

よろしくお願いいたします。

決まっていない日付を「合意済み」と書かない
上の文例では、実際の状況に合う方だけを残します。送信して返答がないことだけで、希望日への合意が成立したと決めつけないようにしてください。

引き継ぎは、業務の状態と次の行動をセットにする

業務・案件現在の状況次の対応・期限社内資料の場所
[案件A][見積もり確認中][担当者へ確認/○月○日][承認された共有先]
[定例業務][今月分まで完了][来月分の作業/○月○日][手順書の共有先]
会社の情報管理ルールに合わせて使う、編集部作成の整理表。

あわせて、備品の返却先、会社への連絡先、退職後に受け取る書類の送付先を確認します。退職届・退職願は名称だけで法律上の扱いが決まるわけではなく、文面や経緯なども関わります。個別の書面の意味や提出方法に迷う場合は、会社の窓口や公的相談先へ確認してください。

確認先:厚生労働省・合意退職と任意退職

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よくある質問

退職は必ず対面で伝えないといけない?

対面だけに限定して考える必要はありません。リモート勤務や面談が難しい事情がある場合は、個別のオンライン面談・電話なども検討します。どの方法でも、意思が相手に伝わったか、必要な手続きと記録が残るかを確認してください。

メールだけで退職できる?

メールだから一律に無効とはいえませんが、契約の種類、文面、相手に届いたかなどの確認が必要です。この記事の面談依頼メールは、退職の通知として作った文面ではありません。手続きが進まない場合は、公的な労働相談窓口で個別の対応を確認しましょう。

先に同僚へ話してもいい?

退職の調整前に広く伝えると、上司が別の人から知る場合があります。誰にいつ知らせるかは、面談で確認しておくと進めやすくなります。ハラスメントなどで上司へ直接話しにくい場合は、別の社内窓口や公的相談先を利用してください。

転職先の会社名まで話す必要がある?

この文例では転職先の会社名を伝えることを前提にしていません。質問されたら、説明できる範囲を考えて対応します。契約上の義務や社内手続きとの関係が問題になる場合は、具体的な規定と状況を確認してください。

就業規則に「3か月前」とある場合も、必ず待つ?

会社との合意による退職の手続きと、無期契約での一方的な解約の申し入れは異なります。規則の期間だけで、法律上も必ず3か月待つと決まるわけではありません。契約と申し出の内容を整理し、食い違う場合は労働相談窓口へ確認します。

確認先:厚生労働省・就業規則の申し出期間と辞職の扱い

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確認先・出典

情報確認:2026年9月17日。この記事は退職の伝え方と手続きを整理する一般的な案内です。文例は法律上の効果を保証する定型書式ではありません。個別の契約や紛争の判断は公的な労働相談窓口などへ確認してください。

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