退職給付金とは?「存在しない」の意味

「退職給付金制度に申し込めば、まとまったお金を受け取れる」と聞くと、一つの申請書・窓口・受給条件があるように感じるかもしれません。この呼び方では、健康保険の傷病手当金、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)、再就職手当などを紹介している例があります。

「退職給付金」という呼び方を、実際の制度に分けて考える
「退職給付金」という呼び方
健康保険の制度

傷病手当金

病気やけがの療養で、仕事ができないとき

雇用保険の制度

基本手当(失業手当)

働く意思・能力があり、仕事を探しているとき

含める例もある

再就職手当など

就職・受講など、制度ごとの条件を満たすとき

指す範囲はサイトによって異なります。すべてを一括して支給する制度や、全員がすべてを受け取る仕組みではありません。

鳥取県中小企業労働相談所「みなくる」も、この言葉は法律で定義された名称ではなく、複数の給付を総称して使うサイトがあると説明しています。制度の有無は呼び方だけで判断せず、正式名称と受給条件で確認することが大切です。

確認先:みなくる:退職給付金とは

会社の退職金・共済の給付を指す場合もあります
退職に伴うお金を広くまとめた説明や、企業・共済の資料で似た呼び方が使われる場合もあります。この記事では、傷病手当金や失業手当など、健康保険・雇用保険の給付を整理しています。会社の退職金や企業年金が「存在しない」という話ではありません。

区別の参考:国税庁:退職所得となるもの、さぽーとさっぽろ:特定退職金共済制度

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退職給付金はまとめて申請できる?

「退職給付金」という名前で、傷病手当金と失業手当を一括申請する仕組みではありません。それぞれ別の保険制度なので、受給条件・申請書・確認する窓口を分けて整理します。

健康保険

傷病手当金の申請

加入していた保険者へ、療養・休業・給与などの状況を示して確認します。退職後の継続給付にも条件があります。

雇用保険

基本手当の手続き

ハローワークで求職申込みと受給の手続きを行います。働けない状態が続く場合は、受給期間延長を相談します。

二つを紹介する情報を見たときも、まずは「今、自分が確認したい正式な制度名は何か」を整理しましょう。同じ退職に関する給付でも、一方の条件を満たすことだけで、もう一方も受給できるとは限りません。

確認先:協会けんぽ:傷病手当金、ハローワーク:基本手当

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傷病手当金・失業手当・退職金の違い

制度・お金主な前提確認する窓口
傷病手当金
健康保険
業務外の病気・けがの療養で仕事ができず、連続3日の待期後、給与が十分に支払われないなどの条件を満たす加入していた協会けんぽ・健康保険組合などの保険者
基本手当(失業手当)
雇用保険
働く意思と能力があり、求職しているのに就職できない。被保険者期間などの条件も必要住所地を管轄するハローワーク
会社の退職金勤務先の退職金規程・加入制度などによる会社の人事・給与担当、加入する共済等

退職することだけで、傷病手当金が支給されるわけではありません。単にしばらく休みたいという事情と、病気やけがで仕事ができない状態は区別します。反対に、すぐに働けない状態では、基本手当の受給の前提を満たしません。

確認先:協会けんぽ:傷病手当金の要件、ハローワーク:基本手当の受給要件

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傷病手当金と失業手当はどうつながる?

傷病手当金と失業手当は、状態の変化に応じて別々の制度を確認します。療養で仕事ができない時期と、回復して仕事を探せる時期では、確認する制度・窓口が変わります。

確認先:ハローワーク:基本手当の受給要件

療養から求職へ|制度を確認する順番の例
  1. 療養中傷病手当金の条件を確認

    保険者へ相談。退職後の継続給付には別途条件があります。

  2. 療養中の期限対策基本手当の受給期間延長を相談

    30日以上働けない場合は、ハローワークで延長の手続きを確認。

  3. 回復して求職できる基本手当の手続きを確認

    回復を窓口に伝え、求職申込み・認定などを進めます。

受給の確約や全員共通の日程ではありません。回復の時期と実際の就労能力に応じて確認します。

退職後の傷病手当金は、退職前の状態も重要

協会けんぽの案内では、退職後の継続給付は、退職日までの所定の被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失時に受給中または受給できる状態であることなどが必要です。任意継続・国民健康保険等の期間は、この1年の計算には含まれません。退職日に出勤した場合は継続給付の条件を満たさないと説明されています。

退職した後に新しく療養が必要になっただけで、前の健康保険から当然に傷病手当金が出るわけではありません。退職日・休業期間・医師の意見・給与の支払いを保険者へ示して確認します。

確認先:協会けんぽ:退職後の継続給付

受給期間の延長は「支給日数が増える」と同じ意味ではない

基本手当を受け取れる期限は原則、離職日の翌日から1年です。病気・けがなどで引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を延長できる場合があります。これは受け取るための期限を延ばす手続きで、病気の期間中に基本手当を支給したり、所定給付日数をそのまま増やしたりする意味ではありません。傷病手当金の終了まで何もせず待たず、早めにハローワークへ相談しましょう。

確認先:ハローワーク:受給期間と延長。関連記事:病気で働けないときの受給期間延長 →

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「最大28か月」「数百万円」をどう読む?

「最大28か月」「数百万円」といった表現は、複数の給付を組み合わせた期間や総額を指す場合があります。自分に当てはめる前に、何の制度・どの対象者・どの期間についての数字かを確認しましょう。

期間を分ける

複数の上限を足した例か確認

傷病手当金は同一の傷病について支給開始から通算1年6か月。基本手当の日数は離職理由・年齢・被保険者期間等で異なります。二つの最大期間を全員に当てはめることはできません。

金額を分ける

総額と毎月の入金を区別

長い期間の給付を合計した額と、退職直後に一括で入金される額は別です。支給日額・対象日数・申請と審査の時期を分けて確認します。

基本手当は退職した人全員への一律支給ではありません。健康保険と雇用保険の加入履歴も別に確認します。「社会保険に1年加入していれば必ず両方もらえる」といった一つの条件だけで結論を出さないようにしましょう。

確認先:厚生労働省:傷病手当金の支給期間の通算化、厚生労働省:基本手当の受給要件・日数・金額

申請では、療養・勤務・求職の状況を事実に沿って伝えます。体調が変わった場合は、医師・保険者・ハローワークへ実際の状態を相談し、必要な手続きを確認してください。

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自分の場合に確認する項目と窓口

「退職給付金はもらえますか?」だけでなく、制度名と自分の状況を組み合わせて質問すると、次の手続きを確認しやすくなります。

確認すること準備する情報の例主な確認先
傷病手当金・退職後の継続給付健康保険の加入履歴、退職日、休業した日、給与、療養・就労の状況保険者。療養・就労の状態は医師にも相談
基本手当・受給期間延長離職票、雇用保険の加入履歴、離職理由、働ける状態か、働けない期間ハローワーク
退職金・企業年金等就業規則・退職金規程、勤続期間、加入制度、支給予定勤務先・加入制度の窓口
相談準備用の編集部作成メモ。各申請に必要な書類の全件一覧ではありません。

公的給付の受給可否・金額は、制度ごとの条件と審査で決まります。民間の相談サービスを使う場合も、別の制度が新しく作られたり、サービス利用だけで条件が変わったりするわけではありません。自分で制度の窓口に相談・申請することもできます。

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よくある質問

退職給付金というものは、本当に存在しないのですか?

「退職給付金」という呼び方を、一つの国の給付制度名と受け取らないことが大切です。中身として紹介される傷病手当金・基本手当などの制度は存在します。退職金や共済の給付を指す場合もあるため、正式名称を確認してください。

退職給付金と失業手当は同じものですか?

失業手当だけを指して使う例も、傷病手当金や再就職手当などを含める例もあります。基本手当は雇用保険の制度で、健康保険の傷病手当金とは別です。

病気でなくても、傷病手当金をもらえますか?

業務外の病気・けがの療養で仕事ができないことなどが前提です。退職することや休みたいことだけでは対象になりません。体調と仕事内容を医師・保険者に伝え、条件を確認します。

傷病手当金と失業手当を同時にもらえますか?

同じ期間に両方を受け取る前提で考えないでください。療養で仕事ができないことと、いつでも就職できる能力があることは異なる前提です。状態が変わった場合は、保険者とハローワークの両方へ伝えます。

「傷病手当」と「傷病手当金」は同じですか?

違います。健康保険には「傷病手当金」、雇用保険には別の「傷病手当」があります。後者は基本手当の手続き後に15日以上働けなくなった場合などの制度で、健康保険の傷病手当金等が支給される場合は対象にならないなどの条件があります。名称だけで混同せず、ハローワークへ確認します。

確認先:厚生労働省:Q28・雇用保険の傷病手当

誰でも28か月分や数百万円を受け取れるのですか?

受け取れるとは限りません。対象の制度、健康状態、加入期間、離職理由、年齢などを個別に確認する必要があります。紹介されている複数の給付期間の合計を、自分の確定額・確定期間として扱わないでください。

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制度の確認先・出典

情報確認:2026年9月18日。主に会社員の健康保険・雇用保険についての一般的な案内です。個別の受給資格と手続きは、保険者・ハローワーク等の窓口へ確認してください。

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