まず結論|失業手当は非課税で、受給額の申告は不要

厚生労働省は、雇用保険の基本手当の給付はすべて非課税で、基本手当について確定申告は必要ないと案内しています。国税庁の年末調整Q&Aでも、失業等給付は非課税とされています。

申告しなくてよいのは「失業手当の受給額」です。
失業中の人が、退職前の給与や副業などの課税所得まで申告しなくてよい、という意味ではありません。失業手当と、それ以外の収入を分けて考えます。
所得に入れない

雇用保険の基本手当

非課税のため、受給額を給与や雑所得として加えません。

申告要否を確認

給与・副業など

退職前の給与、再就職先の給与、事業・副業などの課税所得を確認します。

所得から差し引けるか確認

保険料・医療費など

国民健康保険、国民年金、医療費、寄附など、対象となる控除を確認します。

確認先:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ」Q27、国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」問1

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失業保険は年末調整の「年収」に入れる?

雇用保険の基本手当は、年末調整で計算する給与収入や合計所得金額には含めません。「失業保険」と呼ばれる基本手当は非課税です。ただし、退職前・再就職後の給与や、ほかの課税所得は分けて確認します。

確認する場面 基本手当の扱い 確認するもの
自分の年末調整 給与収入・合計所得金額に加えない 前職と再就職先の給与、源泉徴収票、その他の課税所得
配偶者控除などの所得判定 判定に使う合計所得金額に加えない 受給者本人の給与などの所得と、控除を受ける人の要件
健康保険の扶養判定 税金とは別。収入として確認される場合がある 基本手当日額・受給期間を加入先の保険者へ確認
「税金の所得」と「健康保険の収入」を分けて確認しましょう。
年末調整の書類で迷ったら
自分や配偶者の所得見積額に、基本手当の受給額を上乗せしません。給与はその年分の源泉徴収票や給与見込みを基に確認します。「基本手当は含めない」ことと「所得がゼロ」「控除を必ず受けられる」ことは同じではありません。

同じ年に再就職した場合は、原則として前職分の給与も含めて新しい勤務先で年末調整します。前職の源泉徴収票を提出し、基本手当の受給額と給与を混同しないようにしましょう。健康保険の扶養については、税金とは別の判定を確認する説明をご覧ください。

この節の確認日:2026年10月7日。確認先:国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」問1・問4、国税庁 No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」

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失業中に確定申告を確認する4ステップ

「いま無職か」だけではなく、その年1月から12月までの収入と精算状況を確認します。次の順番で見ると、失業手当と給与を混同しにくくなります。

失業中の確定申告|確認する順番
  1. STEP 01退職前の給与

    その年に受け取った給与と源泉徴収票を確認。

  2. STEP 02年末調整

    再就職先で前職分を含めて精算したか確認。

  3. STEP 03その他所得

    副業・事業・不動産などの課税所得を確認。

  4. STEP 04追加する控除

    退職後に払った保険料や医療費などを確認。

1. その年に退職前の給与を受け取ったか

退職した勤務先から交付された源泉徴収票で、支払金額・源泉徴収税額・社会保険料等の金額を確認します。源泉徴収票が届かない場合は、まず勤務先へ交付状況を確認してください。

2. 同じ年に再就職し、年末調整を受けたか

同じ年に再就職し、新しい勤務先へ前職の源泉徴収票を提出した場合は、原則として前職分を含めて年末調整します。前職分が含まれているか、新しい勤務先の源泉徴収票で確認します。

3. 給与以外の課税所得があるか

副業、事業、不動産などがある場合は、失業手当を除いた課税所得を基に申告要否を確認します。「20万円以下なら何も申告しなくてよい」とだけ判断しないでください。所得税の還付申告をする場合は、申告不要とされる少額の所得も併せて申告する必要があります。住民税の扱いも別に確認します。

4. 申告で追加したい所得控除があるか

退職後に自分で支払った国民健康保険料・国民年金保険料は、その年に実際に支払った金額が社会保険料控除の対象になります。医療費控除や寄附金控除など、年末調整だけでは反映されない控除も確認しましょう。

確認先:国税庁 No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」、国税庁 No.1130「社会保険料控除」

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4つのケースで見る、確定申告の考え方

状況 失業手当の記入 確定申告の考え方
失業手当だけで生活 不要 受給だけでは所得税の申告理由になりません。所得証明等に必要な自治体手続は別に確認します。
年の途中で退職し、年末調整なし 不要 退職前給与の源泉徴収税が納め過ぎとなり、還付申告できる場合があります。
同じ年に再就職し、前職分を含め年末調整済み 不要 通常は給与分の精算が済んでいます。ほかの所得や追加したい控除がないか確認します。
副業などの課税所得あり 不要 失業手当以外の所得を基に、所得税・住民税それぞれの申告要否を確認します。
一般的な整理です。具体的な申告要否や還付額は、年間の所得・控除・源泉徴収税額によって変わります。

国税庁は、年の途中で退職したまま再就職せず、年末調整を受けていない場合、源泉徴収された所得税が納め過ぎになることがあると案内しています。還付申告は、原則として退職した年の翌年1月1日から5年間提出できます。

確定申告をすれば必ず還付されるわけではありません。還付されるのは、最終的な税額より源泉徴収された税額が多い場合です。反対に、ほかの課税所得などにより納付が必要になることもあります。

確認先:国税庁 No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」

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還付申告で確認する書類

書類は、所得・控除・本人確認の3つに分けて集めます。失業手当の支給額を証明するための書類は、基本手当を課税所得として申告する資料ではありません。

  • 前職・再就職先の源泉徴収票給与、源泉徴収税額、年末調整の状況を確認します。
  • 国民年金保険料控除証明書その年に支払った対象額を確認します。
  • 国民健康保険料の支払額自治体の通知や領収記録などで年間支払額を確認します。
  • 医療費・寄附などの資料利用する所得控除・税額控除に応じて準備します。
  • マイナンバー等の本人確認提出方法に応じた本人確認書類を用意します。
  • 還付金の振込口座本人名義の口座情報を確認します。

国民年金は控除証明書等の添付・提示を確認します。国民健康保険料は、源泉徴収票に記載済みの勤務先天引き分と、自分で支払った分を二重に計上しないよう整理しましょう。

申告手順や退職金の扱いまで確認する場合は、年の途中で退職した人の確定申告ガイド →をご覧ください。源泉徴収票が届かない場合は、源泉徴収票が届かないときの確認先 →を先に整理できます。

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失業手当が非課税でも、住民税の通知が届く理由

雇用保険法に基づく失業給付は、住民税でも非課税所得です。ただし、住民税は前年の収入・所得を基に課税されます。現在は失業して収入が減っていても、前年に給与があれば住民税がかかる場合があります。

失業手当の税金

基本手当は所得税・住民税の課税対象外。受給額を課税所得へ加えません。

退職後に届く住民税

主に前年の給与などを基に計算。現在の失業手当へ課税している通知とは限りません。

所得が失業手当などの非課税所得だけでも、所得・課税証明書の発行、国民健康保険料の軽減、各種行政サービスの判定などのため、市区町村への申告を案内される場合があります。住民税の申告要否は、1月1日時点の住所地の自治体へ確認してください。

納付書や退職時の一括徴収については、退職後の住民税ガイド →で時期別に確認できます。

確認先:坂戸市「住民税Q&A(基本編)」。自治体手続は居住地の案内を優先してください。

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税金の非課税と、健康保険の扶養判定は別

税金で非課税だから、健康保険でも収入に含まれないとは限りません。健康保険の被扶養者認定では、基本手当の日額や受給期間を含めて確認されることがあります。税務署、市区町村、健康保険の保険者では、確認する制度と基準が違います。

家族の健康保険へ入る予定がある人は、受給資格者証または受給資格通知に記載された基本手当日額、受給開始日、給付日数などを用意し、家族の勤務先または加入先の保険者へ確認しましょう。

失業手当を受給中に健康保険の扶養へ入れるか確認する →

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失業手当と確定申告のよくある質問

失業手当だけを受給している場合、確定申告は必要ですか?

雇用保険の基本手当は非課税なので、受給だけを理由に所得税の確定申告は必要ありません。ただし、退職前給与、その他所得、控除の追加、市区町村への申告は別に確認します。

失業手当の受給額は、確定申告書のどこに書きますか?

基本手当は非課税所得のため、給与や雑所得として記入しません。退職前の給与など、課税対象になる所得を申告します。

失業保険は年末調整の年収や、配偶者の所得に含めますか?

雇用保険の基本手当は非課税のため、年末調整の給与収入や配偶者控除などの判定に使う合計所得金額には含めません。退職前の給与などは別に確認し、健康保険の扶養判定と区別してください。年末調整と扶養の早見表を見る →

年の途中で退職したら、所得税は必ず還付されますか?

必ずではありません。年末調整がなく源泉徴収税額が最終税額より多い場合は、還付されることがあります。年間の所得と控除を計算して判断します。

退職後に払った国民健康保険料と国民年金は控除できますか?

その年に実際に支払った対象額は社会保険料控除の対象になります。国民年金の控除証明書などを確認し、源泉徴収票との二重計上を避けます。

失業手当が非課税なのに、住民税の納付書が来るのはなぜですか?

住民税は前年の給与などを基に課税されるためです。納付書が失業手当に課税しているとは限りません。課税明細で対象年度と所得を確認してください。

税金で非課税なら、健康保険の扶養にも入れますか?

自動的には決まりません。健康保険の扶養認定は税金とは別の基準で、基本手当を収入として確認する場合があります。加入先の保険者へ確認してください。

収入が失業手当だけでも、市区町村への申告は必要ですか?

所得税の確定申告は不要でも、所得証明や保険料軽減などのため住民税申告が必要になる場合があります。居住自治体の案内を確認してください。

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公式の確認先・出典

確認日:2026年9月22日。税制・様式は変更されることがあります。申告時は国税庁の当年分の案内と、居住自治体の案内を確認してください。

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